ホームページのTOPに戻ります 「ラオスとラオスは永遠に」のメニューに戻ります 次の話へ 一つ前の話へ 管理人にメールをする

 

 
   

 

今回は「お魚編」ということで、市場で見られる淡水魚に焦点をあてて見ていきたいと思います。

 

 

言わずもがな、海のないラオスで魚と言えば淡水魚のみ。

 

缶詰や冷凍品という形で多少の海産物もベトナム、タイなどの近隣国を経由して入ってくるようですが、経済開放政策が実施されて間もない社会主義国ラオスにおいての主たる水産資源はあくまで母なるメコンの恵みがメインです。

 

 

メコン川。

 

 

それはチベット高原に源流を発して雲南省を通り、ゴールデン・トライアングルを抜けながらタイ・ラオス・カンボジアとインドシナの国々を順次通過後、最終的にベトナムに流れ出る全長4000KMに及ぶ巨大国際河川です。

 

それは同時にラオスの水産資源を語る上で最も重要の河川です。

 

 

 

売られている魚はメコン川および無数にあるその支流で採れるものなら、とにかくなんでも。

 

一番多いのは養殖もしている現地語でパーニン(テラピアのこと)という魚で、他にもナマズやスネークヘッド(雷魚)、はてはカエルから淡水性のアカエイ科の一種(Dasyatis sp.)まで売っています。

 

 

 

特に面白いのはナマズの仲間です。

 

 

一般的に「巨大ナマズ」・「人食いナマズ」と呼ばれるのは南米原産のものが多いです。

 

たとえば人食いナマズの代名詞「ジャウー:Paulicea lutkens:1.5m以上」や南米産巨大ナマズの一群Brachyplatystoma属に属する「ピライーバBrachyplatystoma filamentosum2m以上」などなど。

※ジャウーの体長から考えれば「人食い」というのは少々大げさな気もしますが、ジャウーは貪欲で、後先考えずにとにかく何でも口に入るものなら入れてしまうため、このように呼ばれています。確かに図鑑を見る限り、子供くらいなら食べそう。

 

 

 

というか熱帯魚屋さんで扱っているナマズ目の中心であるところのプレコ、コリドラスが南米原産で、サカサナマズ(シノドンティスなど)がアフリカ原産と、「華やかどころ」は全て東南アジア以外の地域に集中しているため、ナマズに限って言えば東南アジア産はイマイチ脚光を浴びません。

 

しかしメコン川にだって面白いナマズはたくさんいます。

 

「メコン川のナマズ」と言えば代表格はやっぱりパンガシウス科のナマズ。

 

メコンの怪物として有名なメコンオオナマズをはじめとした巨大ナマズの名が列挙しています。

 

 

 

たとえばメコンオオナマズ(Pangasianodon gigas)はナマズ目のパンガシウス科パンガシアノドン属の魚で、大きいものは全長が3mにもなる、世界最大のナマズの一つです。

 

 

 

残念ながら僕はラオスでPangasianodon属のいかなる魚も見ることはかないませんでしたが、岐阜県にある世界最大の淡水魚水族館でその雄姿を拝見することはできました(あの時はまだ自分がまさかメコン川流域に魚を見に行く機会に恵まれるなどとは思ってもいませんでしたけど。)

 

 

とりあえずその水族館で見た感想としては、自分がもしメコン川に暮らす魚の一種だったとしても、間違っても友達になりたいと思うような風貌ではありませんでした。

 

でかすぎてキモイです。

 

 

 

 

またPangasianodonこそ見られなかったものの、同じパンガシウス科の魚でPangasius属のものはたくさんいました。

 

これらはいわゆる「カイヤン」という商品名で熱帯魚として日本にも大量に輸入されています。

 

真のカイヤンとはPangasius sutchiになると思うのですが、いい加減な熱帯魚屋さんだとPangasiusのものを全て(いわゆる)カイヤンとして売っているので注意が必要です。

 

タイで大量養殖されたカイヤンは、幼魚だと一匹300〜450円と極めて安価なため、熱帯魚を始めたばかりの初心者でも気軽に購入することができます(ただし急激に成長するため、最終的には最低でも120cm水槽が必要になりますので購入は計画的に)。

 

これらのナマズ類は丈夫で何でも食べるため、僕も金のない高校生の頃(※今でもありません)に飼っていた記憶があります。

 

 

 

 

正直言うと別に飼っていて面白い種類ではありませんけど。

 

 

 

 

 

 

 

さて。

 

 

 

 

 

 

ラオスの市場には日本では水族館や熱帯魚屋さんでしか見られないような得体の知れない巨大ナマズがそこかしこに見られるため、お魚ファンにはたまりません。

ナマズの中で最もよく見かけるのがこのミストゥス属のナマズ。

これは赤い尾ひれが特徴的な、おそらく

Mistus nemurus ?(Valenciennes, 1840) だと思われ、ます。

 

 

 

僕は小さい頃から父親が"異常な"と言って差し支えないほどの「淡水魚狂い」だったため、保育園の頃に鈴鹿の山でアカザを手づかみしてトラウマになったことを除けば熱烈なお魚ファンです。

 

 

 

 

ナマズにテラピア、得体の知れない、だけどもたまらなく魅力的な小魚をいくらでも見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

小魚詰め合わせ。

網があれば僕でもその辺で採ってこれそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

市場の中でも特ににぎやかなのお魚売り場。

 

 

 

生け簀(?)に入れられた魚がバシャバシャと元気よく暴れ、あたりを水浸しにしています。

 

 

 

 

 

よく「オモチャ箱をひっくり返したような」という形容を使いますが、ラオスの市場ではひっくり返っているのはゴミ箱と言ったほうがより正確な表現。

 

とにかく乱雑さにおいて他の追随を許しません。

 

 

 

 

 

巨大なバケツの中でうごめく大量のナマズ。

 

こんなに高密度に詰め込んだらいくら丈夫なナマズでも死んでしまいそうですが、ラオス人はまったく気にしません。

 

 

 

 

 

養殖のものもありますが、多くはメコン川やその支流で採ってきたものなので種類もいろいろ。

 

Clarias属の一種だと思う。

形状が同じなら別種でも値段は変わらず、大きさで価格が分けられている感じがしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはスネークヘッドでしょうか。

 

まるまると太っているので食べるときっとおいしいでしょう。

 

 

 

 

こちらもスネークヘッドの一種。

 

触ってみるとヌメヌメ感がたまりません。

おそらくメコン川近隣地域で食用雷魚として最もポピュラーなChanna striata

最終的には90cm以上に成長する超大型スネークヘッドです。

 

 

 

 

恐ろしくでかい魚も一匹丸ごと売っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大量のコイやフナなど。

また、写真にはありませんが、超巨大食用グラミーとして有名なオスフロネームス・グラミー(Osphronemus goramyOsphronemus exodon )も養殖されて売られていました。

 

 

 

 

 

 

 

これはラオスで最もよく食べられる魚の一つ、テラピア。

テラピア(ティラピア)とはシクリッド科の魚の一部を指して言う通用名なので、正式な分類学上の名前ではありません。

 

 

 

 

 

これらの魚はもともとアフリカや中近東に分布する魚でしたが、食用資源として有用ということで全世界で養殖されています。

 

ラオスのテラピア用食文化もおそらくタイから入ってきたものですが、もともとタイにテラピアを導入したのは日本です。

かつて今上陛下(現在の平成天皇)は、皇太子時代にタイを訪問しました。

その際にタイの国王から「山間部の国民の栄養状態がかんばしくない」という相談を受けます。

陛下は魚類学者でもあるので、「これ養殖してみてはどう?」と飼育の簡単なテラピアを50匹ほどタイの国王に贈りました。

タイではこの後テラピアの養殖に成功。

 

近隣国のバングラディッシュが飢饉の際には「これ食っとけ」と20万匹ほどテラピアを送るまでになりました。

 

現在この魚の漢字名は「仁魚」といわれています。
 

この「仁」という漢字が何を意味しているのかはもう説明不要ですよね。

 

現在ではタイ以上に食糧事情が厳しいラオスにもすっかりテラピア食が根付いています。

 

以上、余話として。

 

 

 

 

 

 

売っている魚は頼めばその場でおばちゃんがさばいてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

恐ろしく巨大な魚のブツ切りがゴロゴロと転がっています。

 

群がる大量のハエの羽音が絶妙に食欲を削いてくれます。

 

 

 

 

 

 

そしてその場でも焼いています。

魚から染み出した油が炭に落ちてパチパチとはぜ、香ばしい匂いがあたりに漂って食欲を誘います。

 

ちょ、塩かけすぎ!真っ白になってる!

 

 

 

 

 

すでに焼かれた状態のものも売っています。

 

 

 

 

 

 

ファーストフードのような感じで気軽にその場で食べられます。

 

淡水魚なので小骨が多いのが難点ですが、白身のフワフワした食感が口当たりもよく、大変美味。

 

 

 

 

 

 

バナナの皮で巻かれているものも中身は魚。

これともち米で弁当にしている村人もたくさんいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

その辺の川で採れたようなフナやコイがトロ箱の中にぎっしり。

 

山奥に行くと養殖の魚があまり見られなくなり、より「その辺で採ってきただろ」という品揃えが増えてきます。

 

 

 

 

 

つぶらな瞳がなんとも愛らしいナマズたち。

より珍しいナマズを探して市場めぐりをするだけでもまったく飽きません。

ミストゥスの一種。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは巨大なナマズ。

 

メコン支流の小さな川が近くに流れる村の市場で。

 

 

 

 

 

 

量りからはみ出すほどの大きさ。

写真でもわかるように、川がすぐ近くに流れているので恐ろしくハエの多い村でした。

 

これもミストゥス?

 

 

 

 

 

 

 

何かその辺の池で採ってきたような小魚・エビ・ドジョウなどが適当に売られています。

・・・すごく・・・ドブ臭いです・・・。

 

写真を拡大する【サイズ:800x600】

縞模様が美しい有名ドジョウ、クーリー・ローチPangio kuhliiが混ざっています。

 

 

 

高校生の頃の憧れの熱帯魚達が今、こうして目の前にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも食用として。

 

 

 

 

 

なんだかちょっぴり複雑な気分になります。

 

 

 

 

 

窮屈そうにタライに入っていたのは長い髭が龍を思わせる立派なナマズ。

おそらく冒頭の写真と同種。

Mistus nemurus (Valenciennes, 1840)

売っているおばちゃんに「どこから採ってきたの?」と聞くと川の方を指差していたのでやっぱり川で普通に採れるのでしょう。

 

 

 

 

 

とにかく得体の知れない巨大魚が満載。

Mystus sp.、Wallago sp.、Clarias sp.、Bagarius sp.・・・市場だけで東南アジアのナマズ図鑑が作れそうです。

 

 

 

 

 

どう見てもナイフ・フィッシュ(Chitala)としか思えないようなものも混ざっています。

またナマズも分類学上重要な種類も絶対に含まれているような気がしますが、現地の人々はそんなこと気にせずおいしく食べています。

 

写真を拡大する【サイズ:800x600】

 

 

 

 

 

 

 

顔が怖い

 

 

 

 

 

 

 

こちらは麻袋の中に詰まった大量のカワニナ。

 

汁のダシにするのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

同じく大量のタニシ。

 

ダシ以外に使い道が無さそうです。

 

 

 

 

 

 

こちらはカエル。

どれも生きていますが、足が串刺しになっているので逃げられません。

 

これらの商品は家計を助けるために子供が遊びもかねて田んぼで採ってくるのでしょう。

 

 

 

 

ビエンチャン郊外の市場で見つけた人面ガエル。

なかなかユーモラスな表情をしています。

 

写真からもわかるとおり、タライの中にすし詰め状態でした。

 

 

 

 

 

 

網の中にギュウギュウ詰めのカエル。

 

僕が見てまわっただけでも市場で販売されているカエルは7〜8種類はありました。

 

 

 

 

 

 

さて、最後の写真になります。

これ、市場で木の根のようなものが売っていたのですが、何かわかりますか?

 

 

写真を拡大する【サイズ:600x450】

 

 

 

 

 

これはラオスの水産資源確保にはなくてはならない、大変重要なものです。

 

 

 

 

実はコレ、養殖用のテラピアの卵です。

 

木の根のような植物は水草の一種。

これに小さい、透明のツブツブがたくさんついているのが確認できるでしょうか?

 

このように水生植物に卵を産ませてその水草を採集し、そのままの状態で"養殖用"として出荷されるのです。

 

 

 

 

昆虫編に続く

 

 

 

 

     
 
ホームページのトップに戻る 「ラオスとラオスは永遠に」のメニューに戻る 次の話へ進む 一つ前の話に戻る 管理人にメールをする
SEO 無料レンタルサーバー ブログ SEO